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郷土の山031(英彦山の北岳)

2020.03.07

■場所:英彦山の北岳/福岡県~大分県の県境〔豊前国の最高峰の聖域〕

■英彦山の北岳(標高1192メートル)関連の景観。


■英彦山は、銅の鳥居、石の鳥居、木の鳥居を境として、「四土結界」という考え方により、4つのエリアに分けられています。

木の鳥居より標高が高い部分、三峰の山頂周辺が聖域。

英彦山の山頂部三峰(中岳[標高1188.2メートル]、南岳[標高1199.6メートル]、北岳[標高1192メートル])のうち、北岳山頂部は、山岳信仰の霊峰「英彦山」の主神である天照大神の御子・天忍穂耳命が祀られる聖域の中心地。

古代より、注連縄に囲まれた、安山岩の岩場が、祭祀の場「磐境」で、禁足地となっている地域。

■北部九州各地からの参詣ルート「ひこさん道」、山麓からの登山口「英彦山七口」、「峰入道」、そして京築地域とゆかり深い古道「お潮井採り道」などなど、歴史ある各地の道を地図で調べたり、また、豊前地域の名所旧跡や神社仏閣などの立地、建物の方角、英彦山山系との位置関係などを地図などで調べたり、現地に立ったりして確認すると、英彦山を意識した方位の名所旧跡や官衙遺跡、学校の校歌などが、たくさんあることが再認識されて、興味深い。

〔例1:「英彦山」と「福原長者原遺跡」(初期豊前国府跡)の立地。官衙の正門(八脚門)である南門からみると、南方正面に、英彦山が遥拝される方位となっている。

例2:「豊津高校(現・育徳館)校歌」の歌詞の一節
(作詞:小宮豊隆、作曲:信時潔)※校歌の歌詞は、1番~4番あります。

→[校歌歌詞1番の一節]
♪♪♪今川と祓郷川と・・・(中略)彦山は、南に聳ゆ・・・

[♪♪♪い~ま~が~わ~と~、はらい~ご、が~わ~と~・・(中略)ひ~こ~さ~んんは~、み~な~みに、そ~び~ゆ~・・・]〕

■いにしえから多くの人々が関わり、保護され、営まれてきた山岳信仰の山々。

郷土の山と川と海、そして、地域をつなぐ古道から、学びとるところは、とりわけ大きいのではなかろうか。

■写真1(北岳遠景。中岳の上宮より望む)

■写真2(北岳山頂)

■写真3(北岳山頂の標識)

■写真4(九州自然歩道の看板〔中岳の看板〕)
〔2020.01.05探訪〕
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