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神楽のある風景(その12)

2016年05月05日

1年ぶりに神楽の奉納を拝見。みやこ町・上伊良原神楽の春奉納である。
最初の「散米」から最後の「戸前」まで約5時間の奉納。
随分神楽も見てきた気がするが、思えば“フルセット”で観たことは数えるほどしかなかった。
歌うように流れる言上に耳を傾けながら全体を通して見た時、神楽とは「天地の調和」や「四時の巡行」への願いが基本であることを強く感じる。
その基本の上に立ち、人は「五穀の豊穣」とか「家内の安全」といった現世の余得に与る。
ダム建設が進み、京築最奥部の一つと言っていい伊良原の地も、今夜ばかりは多くの有縁が集っている。
未だ大地の揺らぎが収まらぬこの春、改めて神楽に基本の祈りを託す。

メーン写真:「戸前(とのまえ)」。天岩戸を開くため、手力男命が大地を踏みしめるような所作を繰り返す。
サブ左写真:「弓」。式神楽の一つであり、この木綿襷の舞いも祓いの意味を持つ。
サブ中央写真:「御先(みさき)」。地祇(くにつかみ)である御先が悶えるような所作で荒ぶる。陰陽和合を表す神楽という説もある。
サブ右写真:「地割(じわり)」。木火土金水の五神に四季と土曜を配分するストーリーと、寿詞に彩られた言上には、季節の順調な運行への願いが込められる。

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関連情報

上伊良原神楽保存会

明治29年、赤幡流直伝とされる松丸神楽を習得し、高木神社奏楽社として発足したのが始まりと言われています。 過疎化により断絶の危機を迎えますが、保存会を結成し、地区全体から舞い手を募集、地域を支える伝統芸能として再出発しました。 平成11年、町の無形民俗文化材に指定され、今なお活発な活動を続けてい...

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