記事詳細 Details of report

郷土の山026(経読岳)

2019年06月29日

◼場所:経読岳(きょうよみだけ)/福岡県豊前市、大分県中津市耶馬溪町〔旧豊前国上毛郡、下毛郡の境に位置する山〕

◼地質は、新生代第三紀頃の豊肥火山活動に由来する安山岩や角礫凝灰岩などが主な山体。英彦山や犬ケ岳などのように、長い年月をかけて隆起し、風化、侵食され、かたちづくられた。

◼山岳信仰の霊峰・求菩提山からみて、南東(辰巳)の方角に位置する歴史ある山。求菩提山六峰の一峰。

白山信仰の系譜をひき、本寺の求菩提山の白山権現を「太白山」とし、周囲の求菩提山六峰を「小白山」と称し、白山ひめの御子「六王子」を六方位の六峰に祀り、求菩提山を拝む配置として信仰されていました。

◼求菩提山や松尾山などでは、周辺をめぐる峰入り修行の場のひとつであり、山伏さんたちによる読経が行われていた場所「両界山経読堂」が山名の由来とされます。

◼求菩提山周辺の峰入りでは、地域の山々を、仏の教えを図示した「曼茶羅」(まんだら)にみたて、「十界修行」が行われていたといわれます。

◼かつては、峰入りルートとして、春の胎蔵界峰入り(75日間の修行。求菩提山を北へ下り、旧築城郡をまわり、城井谷をさかのぼり、飯盛山、旧築城郡・上毛郡境稜線、犬ケ岳一ノ岳、犬ケ岳、経読岳、龍門谷などを経て、求菩提山へ)、

そして、秋の金剛界峰入り(35日間の修行。求菩提山を東へ下り、岩岳川流域を経て、如法寺など旧上毛郡をまわり、松尾山、轟谷、経読岳、犬ケ岳、犬ケ岳一ノ岳、旧築城郡・上毛郡境稜線などを経て求菩提山へ)などが行われていたといわれます。

経読岳は、胎蔵界、金剛界、両界の接点に位置することから「両界山」とも。

ちなみに、豊前市のゆるきゃらの名前の由来については、地域の名山がルーツ。「くぼてんくん」が、求菩提山から。「きょうこちゃん」が、経読岳からとられているのだとか。


◼写真1(豊前市下河内からみた、経読岳〔写真中央の「へ」の字の形の山〕。写真左、「大きなイス」の背もたれの正面は雁股山。写真右側は求菩提山。経読岳と求菩提山の間に、犬ケ岳。)

◼写真2(経読岳山頂。標高992メートル。両界山経読堂跡の石碑があります。)

◼写真3(経読岳西側の県境稜線から望む求菩提山)

◼写真4(九州自然歩道の看板。経読岳山頂からやや東へ下ったあたりのルート案内図の一部)〔2019.06.23の景観〕

◼参考文献:重松敏美『豊州求菩提山修験文化攷』豊前市教育委員会1969年発行、重松敏美『山伏まんだら』日本放送出版協会1986年発行、恒遠俊輔『修験道文化考』花乱社2012年発行、大平村誌編集委員会編『大平村誌』大平村1986年発行、福岡山の会編『福岡県の山歩き〔新装改訂版〕』海鳥社2016年発行

この記事に拍手!

145pt

他の投稿記事
ペンネーム
ひろにい
他の投稿記事

郷土の山027(雁股山の西峰〔雁股城跡〕)

郷土の山025(茶臼岳)

郷土の山024(犬ヶ岳〔甕ノ尾・三ノ岳〕)