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郷土の山021(シャクナゲ+1015mピーク三郡山)

2019年05月05日

■場所:1015mピーク三郡山/福岡県京都郡みやこ町犀川帆柱、築上郡築上町寒田、大分県中津市山国町

〔旧豊前国八郡のうち、仲津郡、築城郡、下毛郡の郡境に位置する山〕

■県境、郡境、町境(みやこ町と築上町の境)にある、みやこ町南東部の端に位置する山。

町の一番高い地点に、国道496号線沿いの野峠(標高約721m)から、九州自然歩道経由で探訪した際の写真。

■地質は、山の上部は、新生代第三紀頃の豊肥火山活動に由来する角礫凝灰岩や安山岩が主な山体。長い年月をかけて風化侵食され、形成された、県境稜線の九州自然歩道沿いは、火山活動に由来する岩場が展開。鎖場やロープをたどる部分もある険しいルート。

広域でみると、山麓部には、かつてのアジア大陸端部のプレート境あたりで高い圧力を受け形成された変成岩類(古生代末頃から中生代始め頃形成された、しましまの岩石「片岩」など)や地下深くの溶岩がゆっくりと固まって形成された中生代白亜紀後期の「花崗岩」などが基盤となっています(例:伊良原ダムあたり、祓川沿いに、しましまの片理構造の「片岩」の中に、「花崗岩」が貫入する地質が散見されます。上伊良原地区の旧高木神社前の川沿いの岩場など。)

■山頂からの展望はあまり期待できないものの、九州自然歩道途中の岩場から、西側に、英彦山、遠くに三郡山(標高936m。旧筑前国糟屋郡、筑紫郡、嘉穂郡〔古代では糟屋郡、御笠郡、穂波郡の三郡〕の境)。北側に、皿倉山(九州自然歩道の起点)や福智山や香春岳や平尾台や京築地域、そして、南東側から南側に、大分県の山々(由布岳、くじゅう連山)など、地域の名山が望める景観ポイントがあります。
また、ブナ林やブナの巨木(地上から130㎝の位置での幹周囲[胸高周囲]が300㎝以上の樹木が、巨樹・巨木林と認定されているらしい。)をはじめ、シオジ林、シャクナゲ、ヤブツバキなど、様々な樹木が展開。1000m級の山ならではの貴重な植物がみられる地域。

■最近地域の山々に登ったりして、複数の郡境に位置する山と、古代の郡境、古代官衙遺跡(古代郡衙跡や国府跡などの役所跡)の位置を地図[国土地理院1/25,000地図など]で調べて位置を地図に記してみると、それぞれ何らかのかたちで見えるような位置関係になっているように思ったりする。(古代の重要施設を建てる場所の位置決めの際に、山を測量目標として利用したのかも。)

(例:大宰府政庁跡、阿恵遺跡〔古代糟屋郡衙〕、福原長者原遺跡、豊前国府跡等々の古代遺跡から見える周辺景色、『万葉集』で詠まれた山や郡境の山々、それぞれの位置関係を現地で確認すると、新元号『令和』ゆかりの地である福岡県の古代史や万葉集の時代〔飛鳥時代、奈良時代〕に興味がわくかも。)

■写真1(五月はじめのシャクナゲ。標高900m代あたり)

■写真2(みやこ町の最高峰。1015mピーク。ブナの巨木あり。参考文献によると、幹周囲311㎝、樹高16m。)

■写真3(岩場より望む西側の景色。鷹ノ巣山や英彦山)

■写真4(九州自然歩道が通る、県境稜線、鎖場のある岩場。)
〔2019.05.05の景観〕

■参考文献:『分県登山ガイド39福岡県の山』山と渓谷社2016年発行、福岡県地学のガイド編集委員会編『福岡県地学のガイド』(地学のガイドシリーズ26)コロナ社2004年発行、『犀川町の自然ー植物ー』(犀川町文化財調査報告書第6集)犀川町教育委員会2002年発行[p2に三郡山(1015m)の記述あり]、独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所編『地方官衙政庁域の変遷と特質(報告編)』、『同(資料編)』クバプロ2018年発行

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